バレット食道

食道と胃は異なる粘膜を持っています。従ってその境界線は内視鏡で明瞭に観察できます。

この境界線が食道側に上がって食道下部の粘膜が胃粘膜に置き換わってしまう状態をバレット食道といいます。
逆流性食道炎が激しいと食道粘膜が脱落します。
その欠損部が胃の粘膜で修復されるために胃食道粘膜の境界線が口側に移動するのです。
これが繰り返されることでバレット食道は次第に拡大して行きます。

米国では胃癌の殆どがここに発生することから注目されています。
そのため日本でも調べてみましたがこの部位の癌はほとんど見つかりませんでした。なぜかはまだ解っていません。
しかしバレット食道の粘膜に萎縮性胃炎(慢性胃炎)が起こっていると癌の発生の頻度が高くなることが報告されました。
内視鏡で組織検査をしておけばこの萎縮性胃炎が有るか無いかを確認できます。最新の統計では日本人のバレット食道の頻度は約20%です。